平成27年の税制改正により相続を取り巻く環境は大きく変わりました。相続税は基礎控除額が40%引き下げとなり、納税対象者が拡大しました。具体的には、過去は相続人が3名であれば、基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×相続人の数」という計算で、8,000万円が基礎控除額となっていましたが、平成27年1月1日以降発生の相続は同条件であっても、基礎控除額は「3,000万円+600万円×相続人の数」となるため、4,800万円にまで引き下げとなっています。
それにより、平成27年度の相続申告件数は、平成26年度の約56,000件から大幅に増加となり、100,000件を超え、過去最大数の相続申告となっています。※平成28年12月 国税庁発表データより
このような大きな変化が起きている現状ですが、実は、税理士にとって「相続」の分野は、「得意・不得意」がはっきり分かれる内容です。
今でこそ、相続税の件数は増加しておりますが、それまでというのは、年間で6万件足らず、税理士登録数は約7.5万人ですので、全体で平均を取ると、1人の税理士に対して年間で1件も回りません。
多くの税理士は、事業主の関与をしています。となると、法人税や所得税、消費税等がメインで応対する税の科目となりますが、相続税や贈与税は全く別の項目です。さらに、相続においては不動産等の知識も必要になるため、事業主関与を継続している税理士にとっては、非常にイレギュラーなのが、相続の応対なのです。
何故、大きく変わると言えるかというと、「相続税申告・納付後の還付」を業務にしている税理士事務所も存在するからです。還付という制度は、わかりやすく言うと、 「納めすぎた税金を返してもらう」というものです。資産の評価を適正にすることで、過大に納付した税金を返してもらっているわけです。もちろん、相続税の納付が終わってしまった人はこのような応対をせざるを得ないですが、理想としては、「納付後に還付」ではなく、「還付が発生しない結果」になるのが最良です。でも、何故こういった業務が発生しているかというと、相続専門の税理士から見ると、そうでない税理士が申告した内容は、「還付できる」=「納税が多すぎる」ということが頻繁にあるからです。
一般の事業主や法人に対しての税務調査と異なり、相続税の申告後、税務調査が発生する場合は、申告後の翌年~翌々年という直近で発生します。当然、税務調査時には税理士も同席することになるのですが、ここでも対応経験が問われます。
税務署からやってくる調査官たちは、資産税専門の部署に所属しており、こういった相続案件ばかり取り扱っている人たちです。
そのときの税務調査に応対してもらう場合、
・相続税申告の経験豊富な税理士
・相続税申告の経験が少ない税理士
どちらが期待できるかは、明白ではないでしょうか?
一般の所得税や消費税でも税理士によって申告内容に違いはありますが、相続税においては、それが桁違いの額で発生しうるものです。その違いの発生する金額は、数百万円から、相続資産によっては、数千万円単位になるかもしれません。
当然ですが、相続税の申告を税理士に依頼した場合、納税額とは別に税理士の報酬がかかります。納税額が低くなれば、専門の税理士とそうでない税理士の税理士報酬が同じでも、依頼者の負担は大きく異なる訳です。
相続税申告の経験の多い税理士は、相続税における税務調査の対応の経験も多いです。資産税専門の部署からやってくる税務署の調査官と互角に渡り合えるのは、当然、経験の多い税理士です。
一般の事業主・法人様からのご要望と、相続税におけるお問合せでは、紹介する税理士を分けています。
理由は簡単で、得意分野が異なるからです。
相続税の応対経験豊富な税理士とのネットワークを持つ、税理士紹介ネットワークへ是非お問合せください。
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